天赦日の意味とは?やってはいけないこと、するといいこと

「大安より縁起が良い日がある」と聞いて、驚く人は少なくありません。
カレンダーでおなじみの「大安」をも超えると言われる最上の吉日──それが「天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)」です。
年にわずか5〜6回しか訪れない貴重なこの日に、いったい何をすればよいのか。反対に何を避けるべきなのか。この記事では天赦日の本来の意味と歴史的な背景から、するといいこと・やってはいけないこと、そして他の吉日との組み合わせまでを開運の視点から解説していきます。
天赦日とは──言葉の意味から紐解く
天赦日とは「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」を意味する、日本の暦の中で最高の吉日です。
日本国語大辞典には「陰陽道で、一年中の極上の吉日とする日。何事をするのにもよいという日」と記されています。また江戸時代の暦書『循環暦』には「暦でよろずに吉と注するのはこの日に限る」とあり、この日だけが「何をしても良い日」と格別の扱いを受けてきたことがわかります。
百神(ひゃくしん)が天にのぼり、天が地上の万物の罪を赦す日とされているため、あらゆる障害が取り除かれ、何をしてもうまくいく日とされています。英語では「Heavenly Day」「auspicious day for any activity(あらゆることに縁起の良い日)」と表現されることもあります。
歴史と文化的背景──3700年の時を越えた吉日
古代中国の陰陽五行説と十干十二支がルーツ
天赦日の由来は、約3700年前から中国に伝わる「陰陽五行説」と「十干十二支」の二つを元にして作られたものといわれます。日本では江戸時代よりも前から使われており、古くから吉日として言い伝えられてきました。
陰陽五行説は宇宙の万物を「陰と陽」「木・火・土・金・水」の五つのエネルギーで解釈する思想で、天干(十干)と地支(十二支)を組み合わせて日の吉凶を判断する「暦注」の体系へとつながります。天赦日はこの壮大な宇宙観の中から生まれた概念です。
参考:陰陽五行説とは?五行思想をわかりやすく解説!(日本神話と歴史)
暦注の中でも最上位に位置する
古くから日本の暦には「暦注(れきちゅう)」と呼ばれる日時の吉凶や禁忌などを示す情報が記されていました。暦注は上段・中段・下段の3段に分かれており、日々の吉凶を表すものが下段の「暦注下段」に書かれていました。その暦注下段の中で最も縁起がよいとされていたのが天赦日です。
現代のカレンダーでよく目にする大安・仏滅などの「六曜」も暦注のひとつですが、天赦日は六曜の大安を超える吉日と位置づけられています。
平安時代から天皇・貴族が重要な日として活用
天赦日の概念は平安時代にさかのぼります。古代の暦法である陰陽道に基づき、日本では天皇や貴族が重要な儀式や行事を行う際に天赦日を選んでいました。この日は農耕儀式や建築の開始などにも利用され、新しいことを始めるのに最適な日として朝廷の実生活に深く根ざしていました。
江戸時代に『循環暦(1720年刊行)』に記録されていることからも、少なくとも江戸初期以前から日本人の暮らしに天赦日が親しまれていた様子が伺えます。
天赦日はいつ?──決まり方の仕組み
天赦日は二十四節気の「節切り(季節の区切り)」と干支の組み合わせによって決まります。春夏秋冬それぞれの季節ごとに特定の干支の日が天赦日となります。
| 季節 | 対応する干支 | 読み方 |
|---|---|---|
| 春(立春〜立夏前日) | 戊寅 | つちのえとら |
| 夏(立夏〜立秋前日) | 甲午 | きのえうま |
| 秋(立秋〜立冬前日) | 戊申 | つちのえさる |
| 冬(立冬〜立春前日) | 甲子 | きのえね |
この組み合わせによると、本来は年に4回(四季に各1回)となりますが、季節の最初にこだわらない考え方もあり、年に5〜6回ほど訪れるとされています。
一粒万倍日が年間約60日あるのに対し、天赦日は年にわずか5〜6日という希少さが、天赦日を「最上の吉日」とする大きな理由のひとつでもあります。
するといいこと
天赦日は「すべてが天に許されるが故に、迅速に物事が進む日」とされています。基本的に何を始めるにも良い日ですが、特に以下のことが推奨されています。
新しいスタートに関すること
| アクション | 意味・理由 |
|---|---|
| 開業・開店・仕事始め | 天の後押しを受けて最良のスタートが切れる |
| 会社設立・法人登記 | 事業の門出に最もふさわしい日 |
| 入籍・結婚式・プロポーズ | 幸せの始まりを天が見守る日 |
| 引越し・新居への入居 | 新たな環境スタートに最適 |
| 新しい習い事・勉強の開始 | 学びの種が大きく育つ |
| あきらめていたことへの再挑戦 | 天が後押しし、障害が取り除かれやすい |
お金・金運に関すること
天赦日は金運を押し上げる力を持つとされており、財布の新調には特に適しています。できれば「いつも入っていたら嬉しい」と思う金額のお金を入れて、一日リッチな気分で過ごしてみることも開運的な習慣とされています。
心と体を整えること
天赦日はエネルギーの充填にも適した日とされています。がんばってきた自分への「ご褒美」として、大切にしてきたものを購入したり、大切な人との時間を過ごすことも天赦日の良い使い方のひとつです。
やってはいけないこと
天赦日は「すべてを赦す日」ですが、これはあらゆる行為が免責されるという意味ではありません。
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 退職・閉店・廃業 | 「終わり」の意味が強く、始まりの日に不向き |
| 犯罪・法に触れる行為 | 天赦日であっても許されない |
| 浮気・不倫 | ちょっとしたつもりが本気になり後々大問題になりやすい |
| ギャンブルでの一攫千金 | 縁起の良い日を欲の道具にするべきではない |
| 借金・ローンを組む | 新たな重荷を背負うスタートは避けるべき |
特に「退職」と「閉店」については注意が必要です。天赦日は新しいことを始めるのに最適な日であり、「終わり・区切り」には向かないとされています。ただし、より良い未来のための退職や閉店は「新たなスタートのための決意」と自分の中で強く意識できるなら、必ずしも避けなければならないわけではないという考え方もあります。
天赦日の特別な性質──凶日に勝る力
天赦日には、他の吉日にはない際立った特徴があります。それは凶日と重なっても本来の効果が失われにくいとされている点です。
天赦日は「仏滅」「不成就日」のような凶日と重なっても、本来の効果が失われないといわれます。
これは「天がすべてを赦す日」という性質から来ており、天赦日の力が他のすべての暦注を上回るという考え方です。ただし一説では「天赦日に吉日が重なると効果が倍になり、凶日が重なると半減する」とも言われており、この点については解釈が分かれています。大切な日取りとしては、できるだけ凶日との重なりを避けるのが無難でしょう。
他の吉日との組み合わせ──最強開運日とは
天赦日×一粒万倍日=最強開運日
年間約60日ある一粒万倍日と年5〜6日しかない天赦日が重なる日は、「最強開運日」と呼ばれています。2026年には3月5日・7月19日・10月1日・12月16日の4日がこの組み合わせにあたります。
この日に開業・入籍・財布の新調などを行う人は年々増えており、登記事務所でも「最強開運日に会社設立の依頼が集中する」という話があるほど、ビジネスの世界でも意識されています。
天赦日×一粒万倍日×大安=超最強開運日
さらに六曜の大安が重なると「超最強開運日」と呼ばれ、2026年では3月5日(木)と7月19日(日)がこの3つすべてを兼ね備えた日にあたります。
| 組み合わせ | 運気レベル |
|---|---|
| 天赦日のみ | 最上の吉日 |
| 天赦日+一粒万倍日 | 最強開運日 |
| 天赦日+一粒万倍日+大安 | 超最強開運日 |
| 天赦日+一粒万倍日+大安+寅の日 | 年に1〜2回の極稀な大開運日 |
体験談:天赦日に動いた人たちの声
天赦日に関する具体的な日付つきの個人体験談を検証することは難しいのが現状ですが、広くSNSや口コミで語られているパターンをご紹介します。
【入籍・結婚のケース】
「大安にこだわっていたが、調べるうちに天赦日のことを知り、ふたりで話し合って天赦日×一粒万倍日が重なる日に婚姻届を提出した。あの日に届けを出したことが今でも2人の誇りで、結婚生活の支えになっている」という声は、入籍を経験した人の体験談として頻繁に聞かれます。
【開業・起業のケース】
「長年温めていた飲食店の開業日を天赦日に設定した。準備の段階でスタッフが揃い、物件の縁も重なり、まるで何かに後押しされるような流れを感じた。開業後も順調で、あの日に踏み出したことを正解だったと思っている」という起業家の声も多く見られます。
【財布を新調したケース】
「天赦日に念願だったブランドの財布を購入した。それから数ヶ月後に予期せぬ仕事の依頼が増え、収入が上がった。財布のせいかはわからないが、あの日に自分へのご褒美を決意したことが何かを変えたように感じる」というような声は、財布購入の体験談として広く語られています。
これらの体験談に共通するのは、「天赦日を選んだことで気持ちが整い、覚悟が決まり、行動の質が変わった」という要素です。暦の力とは、そのような意識の転換をもたらす鍵として機能することも多いのかもしれません。
大安・一粒万倍日との違いを整理する
天赦日・大安・一粒万倍日の3つは、それぞれ由来が異なる吉日です。
| 吉日 | 由来 | 頻度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 天赦日 | 陰陽五行説×十干十二支 | 年5〜6日 | 暦注の中で最上。何事も始めるのに最良 |
| 大安 | 六曜 | 月5〜6日 | 「大いに安し」。慶事全般に吉 |
| 一粒万倍日 | 日本独自の選日 | 年約60日 | 小さな始まりが大きく実る。金運・種まきに吉 |
天赦日と一粒万倍日はどちらも「新しいことを始めるのに良い日」ですが、天赦日は「障害が取り除かれる・すべてが赦される」という質、一粒万倍日は「小さなものが大きく育つ」という量の概念に近いと言えます。どちらが優れているということではなく、意味合いに沿って使い分けるのが開運的な活用法です。
まとめ:天赦日は「すべてが赦された状態で始める日」
天赦日を整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意味 | 天が万物の罪を赦す日。大安をも超える暦上最上の吉日 |
| 由来 | 約3700年前の中国・陰陽五行説と十干十二支が起源 |
| 頻度 | 年5〜6日(四季に各1回+αの希少な日) |
| するといいこと | 開業・入籍・財布の新調・新たな挑戦・投資・神社参拝など |
| やってはいけないこと | 退職・閉店・犯罪・浮気・ギャンブル・借金など |
| 組み合わせ最強 | 一粒万倍日+大安と重なる日 |
| 凶日との関係 | 天赦日の力が他の暦注を上回るとされる(諸説あり) |
天赦日の本質は「すべての罪が赦された、まっさらな状態でスタートできる日」です。過去の失敗や後悔、臆病さをいったん手放し、新しい自分として踏み出す──そのための最上の舞台を、宇宙が整えてくれる日とも言えます。
次の天赦日に、ずっと迷っていた「あの一歩」を踏み出してみてはいかがでしょうか。



