アルカリ性の食べ物・飲み物一覧、実はレモンはアルカリ性!

現代の食生活では、加工食品や肉類など酸性の食べ物に偏りがちだといわれています。その一方で、体のバランスを保つために注目されているのが「アルカリ性の食べ物」です。本記事では、アルカリ性の食べ物や飲み物には何があるのか、料理としての例、またそれらを摂取することの効果や注意点などをわかりやすく紹介します。
アルカリ性の食べ物とは?
アルカリ性の食べ物とは、体内で代謝されたときに「アルカリ性の灰分(ミネラル)」を残す食材を指します。
pH値でいうと7より高いものがアルカリ性とされますが、食品そのもののpHではなく、体内での「燃焼後の影響(残留ミネラル)」が基準になります。
たとえば、レモンは酸味が強くても、体内で代謝されるとアルカリ性に分類されます。
なぜレモンがアルカリ性食品なのか?
これは「燃えカス(残留灰分)」の性質によって決まります。
レモンに含まれるクエン酸やアスコルビン酸(ビタミンC)などの有機酸は、体内で代謝されたあと、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムといったアルカリ性のミネラル成分を残すため、結果として体液のpHにアルカリ性の作用をもたらします。
つまり、レモンのように口の中で酸性でも、体の中ではアルカリ性に分類される食べ物もあるのです。
アルカリ性の食べ物・飲み物の一覧
代表的なアルカリ性の食べ物・飲み物を分類して示します。あくまでも体内で代謝されたときにアルカリ性という点には注意してくださいね。
種類 | 食品名(例) |
---|---|
野菜類 | ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、きゅうり、キャベツ、大根、人参 |
果物類 | バナナ、レモン、みかん、アボカド、グレープフルーツ、スイカ |
海藻類 | わかめ、昆布、ひじき |
豆類 | 大豆、納豆、豆腐 |
芋類 | じゃがいも、さつまいも、里芋 |
飲み物 | 緑茶、ルイボスティー、麦茶、レモン水 |
その他 | アーモンド、梅干し、黒ごま |
※加熱調理後でもアルカリ性の傾向を保つ食材も多く、日常の食卓に取り入れやすいのが特徴です。
アルカリ性の料理の例
アルカリ性の食材を使った料理はさまざまあります。
料理名 | 主なアルカリ性食材 |
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野菜たっぷり味噌汁 | 大根、小松菜、にんじん、豆腐など |
ひじきの煮物 | ひじき、人参、大豆 |
レモン水とサラダ | レモン、きゅうり、キャベツ、ブロッコリーなど |
和風だしの煮物 | 里芋、昆布、しいたけ、大根 |
アボカドの豆腐サラダ | アボカド、豆腐、わかめ、黒ごま |
日常の和食中心の献立にはアルカリ性の食材が多く含まれており、意識的に選ぶことで健康的な食生活が可能になります。
アルカリ性の食べ物を摂ることの効果・利点
アルカリ性の食べ物を積極的に摂ることには、さまざまな利点があります。
まず、体内の「酸塩基バランス」の調整に役立つとされます。人間の血液は弱アルカリ性(pH約7.4)であり、アルカリ性食品の摂取によって体内環境が整いやすくなるといわれています。
また、ミネラルが豊富な食材が多いため、骨の健康を保つうえでも効果的とされます。酸性食品に偏った食生活では、体がアルカリ性を保つために骨のカルシウムを溶出して中和しようとするともいわれ、長期的には骨密度の低下につながる可能性も指摘されています。
さらに、野菜や果物を多く摂取することになるため、腸内環境の改善、免疫力向上、抗酸化作用なども期待できます。
アルカリ性の食べ物の注意点・デメリット
一方で、アルカリ性食品ばかりを意識しすぎることにも注意が必要です。
人の身体はホメオスタシス(恒常性維持機能)によって、自然に酸塩基バランスを保つようになっています。特定の食品群に偏った食生活は、栄養の偏りやエネルギー不足を招く恐れがあります。
特にたんぱく質や脂質をあまり摂らずに野菜ばかりを食べ続けた場合、筋力の低下や代謝の低下につながる可能性もあります。バランスの良い食事を基本に、「アルカリ性食品を増やす」という意識で取り入れるのが理想です。
口の中がアルカリ性・酸性になることの違いと影響
口腔内のpHバランスも健康に大きな影響を与えます。通常、口の中は中性〜やや酸性ですが、酸性に偏りすぎると虫歯や歯のエナメル質の侵食リスクが高まります。例えば、pH的にはpHが3〜4程度で酸性の飲み物であるオレンジジュースやグレープフルーツジュースなどを飲んだ後に、急に知覚過敏で歯が痛くなったりします。甘いものや炭酸飲料などは、口の中を強く酸性に傾けやすいため、注意が必要です。酸性の飲み物は直接的にエナメル質を溶かす作用があり、これが虫歯のリスクやエナメル質の侵食を高める一因となります。
反対に、アルカリ性の食べ物(野菜・ナッツなど)や唾液の分泌を促す食品を摂取することで、pHバランスが保たれ、虫歯のリスクを下げることができるといわれています。
ただし、過度にアルカリ性に傾けることも不自然な状態となり、唾液の正常な働きが乱れることもあるため、やはりバランスが重要です。
アルカリ性の食べ物ばかり食べた場合に起きること
アルカリ性食品ばかりを食べ続けることで、体調がかえって崩れる可能性もあります。たとえば、肉や魚などの動物性たんぱく質を極端に避けた結果、筋肉量の減少や冷え性、貧血などが起こることがあります。
また、アルカリ性の食べ物は低カロリーのものが多いため、必要なエネルギーを補えなくなる危険もあります。
アルカリ性・酸性という分類はあくまで一つの目安であり、食品のバランス、栄養のバランス、そして食べる人の体質や健康状態を総合的に見て判断することが大切です。