法光寺(埼玉県飯能市) 武蔵野三十三観音霊場・霊峰二山飯能七福神

埼玉県飯能市にある法光寺(ほうこうじ)は、曹洞宗の古刹であり、武蔵野三十三観音霊場の三十一番札所、そして霊峰二山飯能七福神の六番札所としても知られています。至徳三年(1386年)に創建され、長い歴史を持つこの寺院には、埼玉県指定の重要文化財「延命地蔵菩薩」や、観音信仰の聖地「岩殿観音」など、多くの見どころがあります。観音霊場巡りや七福神巡りを楽しみながら、静寂な境内で心を落ち着かせる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。本記事では、法光寺の歴史や見どころ、参拝方法について詳しくご紹介します。
埼玉県飯能市の「法光寺」とは
法光寺(ほうこうじ)は、埼玉県飯能市坂石町分にある曹洞宗の寺院で、正式には「補陀山 法光寺(ふださん ほうこうじ)」と称します。西武池袋線の吾野駅から徒歩2分というアクセスの良さもあり、多くの参拝者が訪れる名刹です。
この寺は、武蔵野三十三観音霊場の三十一番札所として観音信仰の霊場であるとともに、霊峰二山飯能七福神の六番札所としても知られています。境内には本尊の延命地蔵菩薩を祀る本堂をはじめ、観音堂や六地蔵尊、文化財にも指定されている寺宝などがあり、歴史と信仰の息づく寺院です。
法光寺の歴史
法光寺の創建は至徳三年(1386年)に遡ります。吾野要害山城主・岡部新左衛門入道妙高(岡部六弥太の子孫)が、先祖供養のために真言宗の寺院として開創したのが始まりとされています。
その後、天正年間(1573~1592年)に関東曹洞宗の名刹である龍隠寺(越生町)の第十二世・日峰伊鯨禅師によって曹洞宗に改宗されました。現在の本堂は元禄十三年(1700年)に再建されたもので、歴史的な建築物としても価値があります。
本尊である「延命地蔵菩薩(木彫寄木造坐像)」は埼玉県指定の重要文化財となっており、古くから人々の厚い信仰を集めています。また、境内には江戸時代初期に造られた「六地蔵尊」や、寺宝として刀剣「福岡一文字」なども所蔵されています。
さらに、法光寺の裏山には「岩殿観音」と呼ばれる石窟があり、ここには行基作と伝えられる十一面観音が安置されています。この石窟は文和五年(1356年)に比丘元灯の発願によって造られたもので、埼玉県の有形文化財に指定されています。
武蔵野三十三観音霊場(三十一番)の意味
武蔵野三十三観音霊場は、埼玉県と東京都を中心とした三十三の札所で構成される巡礼地で、観音菩薩を信仰する人々にとって重要な巡礼路の一つです。その中で法光寺は三十一番札所にあたり、本堂左手の観音堂に十一面観世音菩薩が安置されています。
観音信仰は、日本では古くから庶民に親しまれており、観音菩薩に祈願することで、現世の悩みや苦しみを救ってもらえるとされています。特に、十一面観音は多くの顔を持ち、あらゆる方向から人々を見守るとされるため、厄除けや開運を願う参拝者が多く訪れます。
霊峰二山飯能七福神(六番)の意味
霊峰二山飯能七福神は、埼玉県飯能市の名刹を巡る七福神巡りの霊場で、開運・福徳を願う人々に親しまれています。法光寺は六番札所として、寿老人(じゅろうじん)を祀っています。
寿老人は長寿の神様であり、健康と福寿をもたらす神とされています。長寿を願う人々が多く訪れ、特に高齢者の健康祈願や家族の長寿を願う参拝者が増えています。
七福神巡りは、比較的短い距離で巡礼できるため、家族連れや観光客にも人気があります。法光寺を訪れる際には、ぜひこの七福神巡りにも参加してみると良いでしょう。
おすすめのお参り方法
法光寺を参拝する際のおすすめの方法をご紹介します。
- 本堂での参拝
- 本尊である延命地蔵菩薩に手を合わせ、健康や厄除けのご利益を願います。
- 特に長寿や病気平癒のご利益を求める人におすすめです。
- 観音堂での参拝
- 武蔵野三十三観音霊場の札所本尊である十一面観世音菩薩を拝みます。
- 観音様に願い事をすると、慈悲の心で救ってくれると信じられています。
- 六地蔵尊へのお参り
- 境内の山門前にある六地蔵尊にお参りし、先祖供養や家内安全を願います。
- 七福神巡りで寿老人を拝む
- 霊峰二山飯能七福神の一つとして、寿老人をお参りし、長寿と健康を祈願します。
- 岩殿観音への巡拝
- 時間に余裕があれば、裏山の「岩殿観音」に足を運び、霊験あらたかな十一面観音に手を合わせましょう。
まとめ
法光寺は、武蔵野三十三観音霊場の札所であり、霊峰二山飯能七福神の一つとしても信仰を集める歴史ある寺院です。特に、本尊の延命地蔵菩薩や札所本尊の十一面観世音菩薩、さらには裏山の岩殿観音など、多くの霊場を有しており、信仰の対象として多くの人々に親しまれています。
参拝の際には、法光寺だけでなく、武蔵野三十三観音霊場や飯能七福神巡りも合わせて楽しむと、より充実した巡礼ができるでしょう。歴史と信仰が息づくこの寺を訪れ、心静かにお参りしてみてはいかがでしょうか。