SHARE:

とほかみえみための意味と効果とは?唱え方と回数、三種大祓の由来

とほかみえみための意味と効果とは?唱え方と回数、三種大祓の由来

「とほかみえみため」という8つの音の言葉をご存知でしょうか。YouTubeでは、この言葉を唱え続ける動画や聞き流し音源が数十万回再生され、「究極の言霊」「最強の祝詞」として静かなブームが続いています。

しかし、動画を見て気になった方が調べようとしても、その意味や由来、正しい唱え方をまとめて解説した情報は多くありません。本記事では、とほかみえみための意味、三種大祓(みくさのおおはらえ)と呼ばれる由来、唱え方と回数の目安、そして声に出すことがなぜ心を整えるのかという仕組みまで、丁寧に解説します。

とほかみえみためとは?8音でできた祓いの言葉

とほかみえみためとは、「と・ほ・か・み・え・み・た・め」の8音からなる祓い言葉(はらえことば)です。神道における祓いとは、心身についた穢れ(けがれ)を取り除き、本来の清らかな状態に戻すこと。とほかみえみためは、その祓いの力を凝縮した言葉として、古くから特別視されてきました。

意味の解釈として最も広く知られているのは、「遠つ神、笑み給え(とおつかみ、えみたまえ)」という読み解きです。遠つ神とは、遠い祖先の神々、つまりご先祖様の源流にいらっしゃる神々のこと。そこに「どうか微笑んでください」と呼びかける言葉、すなわち、ご先祖様とその源の神々に笑顔で見守っていただくための言葉というわけです。

祓いの言葉でありながら、その中身は攻撃的な魔除けではなく、祖先への呼びかけと微笑みの祈りである。この温かさが、とほかみえみための最大の特徴と言えるでしょう。

由来とされる三種大祓と、白川神道の伝承

とほかみえみためは、三種大祓(みくさのおおはらえ)と呼ばれる祓詞の冒頭部分として知られています。三種大祓は次の三つの言葉で構成されます。

言葉読み性質
とほかみえみためと・ほ・か・み・え・み・た・め遠つ神への呼びかけ。神道の言霊
はらひたまひきよめたまふはらいたまい、きよめたまう祓い清めを願う祝詞の定型句
かんごんしんそんりこんだけんかん・ごん・しん・そん・り・こん・だ・けん八卦(乾坤震巽離坎兌艮)の音読みとされる

この三種大祓は、宮中で天皇にお仕えして祭祀を担った伯家神道(白川神道)に伝わる祓いとされ、「天皇が唱えてきた究極の言霊」として紹介されることもあります。三つ目の「かんごんしんそんりこんだけん」が易の八卦に由来する点も興味深く、神道の言霊と東洋の陰陽思想が一つの祓いの中に同居しているのです。八卦については八卦鏡とは?風水効果を高める玄関への置き方でも解説しています。

なお、伝承の細部には流派や資料による違いがあり、「えみため」ではなく「ゑひため」と伝える系統もあります。千年を超える口伝の中で複数の形が残っていること自体が、この言葉が大切に受け継がれてきた証とも言えます。

とほかみえみために期待される効果

唱えることで期待されるとされる効果を整理します。

期待される効果背景にある考え方
穢れの祓い、浄化祓い言葉の本来の働き。心身の気枯れを祓い、本来の状態に戻す
ご先祖様とのつながりの回復遠つ神=祖先の神々への呼びかけであるため
心の安定、不安の軽減8音の繰り返しが呼吸を整え、雑念を鎮める
直感が冴える、迷いが減る祓いによって心の曇りが取れた状態の表現
運気の底上げ祓い清めは神道における開運の大前提とされる

神道では、幸運を呼び込む前に、まず祓い清めることが順序とされています。汚れた器に良い水を注げないのと同じで、穢れを祓ってはじめて良い気が入る。とほかみえみためが「開運の言葉」とされるのは、この祓いの入口を8音で実践できるからです。

唱え方と回数の目安

とほかみえみために厳密な作法の決まりはありませんが、広く行われている形をご紹介します。

項目目安
唱え方と・ほ・か・み・え・み・た・め、と一音ずつ区切り、ゆっくり声に出す
回数8回、10回、40回など。実践者の間では40回唱える形が広く知られる
タイミング朝の始まり、神棚や仏壇の前、心がざわついたとき、寝る前
姿勢背筋を伸ばして座る。合掌するとより集中しやすい
声の大きさ大声は不要。自分の耳に聞こえる程度の落ち着いた声で

回数に迷ったら、まず8音を8回、慣れてきたら40回を目安にしてみてください。大切なのは回数のノルマではなく、一音一音を丁寧に響かせることです。数を数えることに気を取られるようなら、時間で区切って「3分間唱える」という形でも構いません。

なぜ声に出すと心が整うのか

とほかみえみためを唱えると気持ちが落ち着くという体験談は多くありますが、これには体の仕組みからの説明もできます。一定のリズムで発声を続けると、息を吐く時間が自然に長くなります。長い呼気は副交感神経を優位にし、心拍を落ち着かせることが知られています。お経や祝詞、マントラなど、世界中の「唱える行」に共通する鎮静の仕組みです。

特にとほかみえみためは、たった8音という短さが特長です。長い祝詞は覚えるだけで大変ですが、8音なら今日から誰でも唱えられます。覚える負担がないぶん、音の響きそのものに没入しやすい。これが、数ある祝詞の中でとほかみえみためが現代人に広まった、実用面での理由でしょう。

言霊の文化の中でのとほかみえみため

日本には古くから、言葉の音そのものに力が宿るという言霊(ことだま)の思想があります。万葉集には日本を「言霊の幸ふ国」と詠んだ歌があり、祝詞は意味を伝える文章である以上に、音の響きが神に届くものとされてきました。

この言霊文化の中に置いてみると、とほかみえみためは、音の力を借りて祖先とつながる言葉と位置づけられます。仏教の真言が仏様への呼びかけであるように(毘沙門天の真言オンベイシラマンダヤソワカなど)、とほかみえみためは神道の系譜における、最も短い祈りの言葉の一つです。同じく48音の言霊体系であるカタカムナや、禊で用いる言霊(禊に適した言霊や祝詞)とあわせて実践している方も多くいます。

また、この8文字を龍体文字で書き写してお守りにする実践も人気です。唱える言霊と書く言霊の組み合わせについては龍体文字とは?金運に効くと話題の書き方と使い方をご覧ください。

そもそも祓いとは何か、神道の考え方

とほかみえみための価値を理解するために、神道における祓いの位置づけにも触れておきましょう。

神道では、人は本来清らかな存在であり、生きていく中で心身に付着する穢れが、その清らかさを曇らせると考えます。穢れとは「気枯れ」、つまり生命力である気が枯れた状態を指すという解釈があり、疲労、ストレス、後悔、人間関係のわだかまりなどは、すべて気枯れの元です。

大切なのは、神道は穢れを「罪深いもの」として責めない点です。生きていれば穢れがつくのは当たり前。だから定期的に祓って、元の清らかさに戻ればよい。神社で毎年6月と12月に行われる大祓(おおはらえ)は、半年分の穢れをリセットする国民的な祓いの行事です。

とほかみえみためを毎日唱えることは、この大祓の発想を毎日の暮らしに縮小して取り入れることに他なりません。半年に一度の大掃除だけでなく、毎日の小掃除で心を保つ。8音の祝詞は、いわば心の日課の掃除道具なのです。より本格的な自分でできる祓いについては禊とは?自分でできる禊祓いのやり方で解説しています。

三種大祓として続けて唱える形

とほかみえみために慣れてきたら、三種大祓の全体を続けて唱える形に進むこともできます。

「とほかみえみため、はらひたまひきよめたまふ、かんごんしんそんりこんだけん」。この三つをひと息の流れで唱えると、祖先の神々への呼びかけ、祓い清めの祈り、八卦の音による調えという三段の構成になります。一巡でおよそ15秒ほど。これを3回、7回と繰り返すと、8音だけのときよりも長い集中の時間が生まれ、より深い静けさを体感しやすくなります。

ただし、順序として大切なのは、まず8音のとほかみえみためを自分のものにすることです。短い言葉を深く、が言霊の基本。欲張って長くするより、8音を丁寧に響かせられるようになってから、三種の形に広げてください。

実践するときの注意点

とほかみえみための実践に、費用は一切かかりません。声さえあれば今日から始められます。だからこそ、高額な講座や機器、認定を受けないと唱えられないかのような勧誘には注意してください。祓いの言葉は、誰のものでもなく、祈るすべての人に開かれたものです。

また、唱えることを万能の解決策にしないことも大切です。体の不調は医療へ、生活の問題は現実の行動で。とほかみえみためは、その現実の歩みを支える心の柱として使うのが、最も健全で、結果として最も力を発揮する使い方です。

とほかみえみためについてよくある質問

聞き流すだけでも効果はありますか

YouTubeの聞き流し音源で心が落ち着くという方は多く、入口としては十分に意味があります。ただ、この言葉の力の一部は、自分の声と呼吸から生まれます。聞くだけよりも、小さな声でも自分の口で唱える方が、呼吸が深まり体感を得やすいはずです。移動中や職場では聞き流し、朝晩は自分で唱える、という組み合わせがおすすめです。

「とほかみゑひため」と書いてあるものも見ます。どちらが正しいのですか

どちらも伝承として存在しており、一方が偽物ということではありません。系統によって「えみため(笑み給え)」と伝える形と「ゑひため」と伝える形があり、長い口伝の歴史の中で複数の形が残ったと考えられています。ご自身が学んだ形、しっくりくる形で唱えて構いません。大切なのは表記の正誤より、祓いと感謝の心です。

神棚がない家でも唱えていいのでしょうか

もちろんです。とほかみえみためは場所を選びません。朝日に向かって、静かな部屋で、通勤前の玄関で、どこでも唱えられます。ご先祖様への呼びかけという性質から、仏壇の前で唱える方も多くいます。神棚や仏壇があればその前で、なければ心を静められる場所で。形式よりも継続が力になります。

家族や子どもと一緒に唱えてもいいですか

もちろんです。とほかみえみためは、もともと祖先の神々への感謝の言葉ですから、家族で唱えることは、家系のご先祖様への合同のご挨拶とも言えます。子どもにとっては、意味は分からなくても、8音のリズムは覚えやすい遊び歌のようなもの。朝の出発前に家族で一度唱える、お仏壇の前で一緒に手を合わせるといった形で、押し付けにならない範囲で楽しんでください。家に静かで温かい習慣が一つ増えるはずです。

効果はどのくらいで感じられますか

まず変わるのは、唱えている数分間の心の状態です。呼吸が深まり、頭が静かになる感覚は、早ければ初日から体感できます。運気の変化といった大きな話は、その静かな時間の積み重ねの先にあるものです。1日3分、まず40日続けてみてください。40日後のあなたの心の落ち着きが、この言葉の力の何よりの証明になるはずです。

たった8つの音の中に、祖先への感謝と祓いの祈りが込められた、とほかみえみため。動画で聞き流すだけだったあなたも、今夜はぜひ、自分の声で唱えてみてください。声に乗せた瞬間から、この千年の言葉はあなた自身のお守りになります。

あなたへのおすすめ